2009年4月20日月曜日

一ヶ月前

私はここにいた。

それはそれで変な気分である。

2009年4月13日月曜日

文化社会学概論


京都に赴任して来て最初の講義が終わりました。とはいえこの講義は映像美学の前田茂先生とのコラボ講義なので、今回は僕は座って拝聴するのみ。美学の議論を取り入れて、記号論的な切り口から文化社会学にアプローチしようといる試み(って言うか僕が不慣れなため、無理して共同担当にしてもらった)なんですが、うまく行くかどうか。今日見てた感じだと、ちゃんと話について来てる(と見られる)学生も多く、これからが楽しみ(まあ、寝ている人もいましたけど)。共同担当で、自分の番じゃないときに教室の様子を端から眺められるっていうのは結構良い体験かもしれない。パワポとか使わずに臨機応変に授業を進められる前田先生のオールドスクールな味っていうのは、やっぱすごい。

話変わって昨日は、読売文学賞を受賞された細川周平先生の「受賞を祝う会」というのにお邪魔してきました。もったいぶったセレモニーではなく、細川先生の周辺のミュージシャン仲間で企画されたものらしく、学者はほぼ不在(柿沼先生と初めてお目にかかりましたが)。受賞作『遠きにありてつくるもの』の冒頭で、学者連がこれまでバカにして来た「情(け)」というものに、学問的に取り組もうとしたというだけあって、とても暖かい、抱擁力のある雰囲気で、こういう趣旨のパーティーであれほど心を動かされたというのも、子どもの時のお誕生会以来でした。生細川の生ピアノも、お嬢さんのバイオリンもうれしく楽しく聞きました。奥様も初めてお目にかかりました。

受賞作『遠きにありてつくるもの』は現在精読中ですが、ブラジル移民という大河ドラマみたいな背景はないにせよ、パリにいた自分の心持ちが重なって刺激を受けてます。あと、「日本製品」に対する移民文化と現地の主流文化の温度差のなかで自分の立ち位置を交渉しなきゃいけない感じとか。次の研究に向けて結構足がかりがつかめそうな感じがしてます。それよりも何よりも文体というか筆致がやっぱりすごい。そのうちもうちょっと詳しく書きます。

2009年4月10日金曜日

京都・日本・男・わたくし

ナショナリスム、ローカリスム、マシスム、エゴイスム、ナルシシスム。近所のスーパーの豆腐売り場が、ここまでシンボリックに雄弁だとは(笑)。

2009年4月4日土曜日

またしても、タイトル変えました


帰国を控えて「ばかのひとつおぼえ」にタイトルを変更してから、ほとんどなにも書くことがなく、ひとつおぼえ以上のバカである自分をなんとも愛おしく思っているわけですが、京都に来たら来たで、日本の生活がもうよくわかんなくなってる自分というのがいまして、今までの似非アカデミック路線はもう止めて、京都生活の不思議をタラタラと書いてくことにします。別にタイトル変えたからってもっと頻繁に書けるようになるわけではないです。
改めて日本に来て思ったこと(ただし、関西住まいは始めてなんで、下の印象を《日本》の表象に還元するには注意が必要。むしろほぼ《外国》に来たのと同じ状況である。言葉や身振りの問題も含めて。)。
  • 子どもが少なすぎる。相対的に年寄りが多すぎる。
  • →更に相対的に子どもたちのケア体制に不安。今は単身赴任状態だけど、家族を呼び寄せたあとどうなるんだろ。
  • テレビがつまらなくなった。
  • →20年前とほとんど同じタレント、評論家、批評家がそのまま年を取って同じことばかり言ってる気がする。
  • →ただし、今の下宿は地上波アナログしか受信できないので真相は不明。
  • ウェブを通してラジオを聞けない。
  • →ラジオを買わないとラジオは聞けないという、当たり前のことに愕然としています。
  • 情報通信サービスはこっちのが進んでいるというけれど、末端消費者のコスト負担が高く、なかなか利用できない。通信速度だけは世界一だけど、それは日本は全部電柱に電線だから、敷設コストがかからず、工事期間が短くて済むため。フランスは全部地下に埋めるからなかなか進まない。
  • 役所や事務手続きの効率はすごい。それだけ共通の信用があるんだろうけど(証明書は機械で発行されるし、大抵の手続きは印鑑でもサインでも出来ちゃう。パスポートの終わりのページに自分で住所を記入したら住所確認書類として認められるし)、逆に言えばかなり無防備。
  • 銀行の名前が訳判らん(昔《富士銀行》というところに口座持ってたんですが、今は何銀行に行ったらいいんですか?)。
  • 云々……

赴任した精華大学というところは、京都北部の谷間にあるところで、なかなかおもしろいところです。所謂美大なので、谷間に沿ってキャンパスの奥に散歩に行くと、こんな光景に出くわします。
山奥〜って感じ。日本画に出てくる動物を集めた一角があって、鶴やら鹿やら雉やらがのんびりと暮らしております。鹿舎の近くには学生たちの作った掘っ建て小屋がいくつか並んでいて、どうやらそこに画材を持ち込んで住み込み(?)で鹿の絵を描くらしいです。