2009年2月3日火曜日

ユーザーの理屈、作り手の理屈

どうも。引き続きヨーロッパのデジタル図書館計画について調べております。
すると……。いままで気づかなかったのですが、経済開発協力機構(OECD)が一昨年にユーザー創造コンテンツ(UCC。コーヒーではない)についての報告書を出してました。OECDのこの手の報告書がどんな風に日本の政策に影響を及ぼすのかいまいち不明ですが、この報告書では、ユーザー創造コンテンツを「特定の創造的努力を反映しつつ、プロフェッショナルな作業工程や業務の外側で創造され、インターネット上で公衆の利用可能な状態におかれたコンテンツ」という風に定義していて、それゆえ、こうした派生的作品を著作権の例外措置として認めるべきと提言してます。EUがいま進めている現行著作権制度の見直しのための意見聴取でも、たたき台にこの定義が引用されていて、派生作品への著作権行使を制限する方向が提案されているようです。英ガウワーズ報告書でもそんな内容が提案されていたような。
まあ、それだけUCCが今後のウェブの収益の中心の一つになってくるからという読みがあるんだろうけれど、既存の文化仲介業の肩身が狭くなるのは確実そう。ただ、EUの制度見直しの方向性を見る限り、ユーザー側の理屈だけが通っているという訳でもなくて、実は(これまで仲介業に抑圧されてきた)作り手側の理屈というのもだんだん耳に入るようになっているという印象。個人的にはこの先しばらく、作り手側の理屈・戦略というものに注目してみようなんて思ってます。

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